管スケジュール番号は配管設計で最も誤解されている情報の一つです。エンジニアは深く考えずにSch 40を指定し、または「より安全に見える」という理由だけでSch 80を指定することがあります。これらの番号が何を意味し、実際の耐圧性能とどう関係するかを理解することが、正しい設計の出発点です。

スケジュール番号の起源

スケジュール番号システムは1927年に米国規格協会によって、次の式に基づいて導入されました:スケジュール = 1000 × P/S(P = 設計圧力 psi、S = 許容応力 psi)。しかしASME B31.3は更に正確な式を使用します:t = PD / (2SE + 2PY)

スケジュール番号と肉厚の関係

同じスケジュール番号でも、呼び径が変わると肉厚が異なります。NPS 2(DN50)の場合:Sch 40 = 3.91 mm、Sch 80 = 5.54 mm、Sch 160 = 8.71 mm。NPS 6(DN150)の場合:Sch 40 = 7.11 mm、Sch 80 = 10.97 mm。この違いは重要で、同じSch 40でも大口径では小口径より比例的に薄い肉厚になるため、許容圧力が下がります。

Standard(STD)、XS、XXSとの関係

スケジュール番号以前の分類:Standard(STD)、Extra Strong(XS)、Double Extra Strong(XXS)。NPS 1/8〜10ではSTD = Sch 40、XS = Sch 80が成立しますが、NPS 12以上では成立しません(STD ≠ Sch 40)。正式な仕様書では必ずスケジュール番号を使用してください。

ASME B36.10M対B36.19M

ASME B36.10Mは炭素鋼・合金鋼管を対象とし、Sch 10〜XXSを定義します。ASME B36.19Mはオーステナイト系ステンレス鋼管を対象とし、Sサフィックス付きスケジュール(5S、10S、40S、80S)のみを定義します。ステンレス鋼管の仕様書ではB36.19Mのスケジュールを使用してください。NPS 14以上ではB36.10MとB36.19Mで肉厚が異なります。

許容圧力の計算例

Barlow式(薄肉近似):P = 2St/D。例:NPS 2 Sch 40、A106 Gr.B(S = 138 MPa @ 20°C、t = 3.91 mm、D = 60.3 mm)の場合:P = 2 × 138 × 3.91 / 60.3 ≈ 17.9 MPa(179 bar)。同じSch 40でもNPS 8(t = 8.18 mm、D = 219.1 mm)では:P = 2 × 138 × 8.18 / 219.1 ≈ 10.3 MPa。NPS 2の57%に過ぎません。

正しいスケジュール選定の手順

①ASME B31.3 附属書AからS値(設計温度での許容応力)を確認する。②式でt(最小必要肉厚)を計算する。③腐食しろ(CA)を加算する。④製造マイナス許容差12.5%で除算する:必要呼び肉厚 = (t + CA) / (1 − 0.125)。⑤B36.10M/B36.19Mから必要肉厚以上の最小標準スケジュールを選択する。

Sch 40が不十分な場合

実践的な判断基準:計算結果が2つのスケジュール境界に近い場合、自動的に上のスケジュールを選択するのではなく、実際のマージンを確認してください。製造許容差12.5%後の最小肉厚でも設計要件を満たすか確認することが重要です。

Forgepointはプロセス配管システムの設計、スケジュール選定計算、腐食しろ評価、ASME B31.3適合確認などのサービスを提供しています。

プロジェクトのご相談 — 07549 032776